<動画解説>口の開き方による声の明暗

「あ」でロングトーンをします。
声を伸ばしている間に
口が閉じていかないように!
また、口の中が狭くならないように!

 

「口を開ける」とは
口の表面(唇)だけをたくさん開けることではありません。
口の表面だけを何となく開けていると体も連動せずに
結局は喉だけに頼る発声になり
声帯にダメージを与えてしまいます。
喉が痛くなったり
急にむせたりする原因にもなりますね。

 

では「口を開ける」とは・・・?

「口を開ける」とは
口の奥を広くすることです。
舌を下げることもその要素のひとつです。

 

ここで卵型が登場!

まず「あ」の音を出す時には
卵をタテにして奥に押し込むようなイメージで
口を開けましょう。

それに連動して・・・
前から押されてくるその卵から逃げるように
口も奥に開いていきます。

 

出来るようになると
「口を開ける」という概念が変わりますよ♪


口の開け方で体の動きも変わってきます。

 

口の奥を開けずに口先だけで発声すると
首から下の体は  ほぼサボっている状態になります。

喉だけで声を出している状態です。

 

卵を奥に押し込んでいくに従って
体の重心も後ろに移動し
腹筋も背筋も使いやすくなります。
体が使える状態ということです。


重心が後ろにいけば
体が使えるようになるので
発声のスタート位置(声の出発点)も変わります。

 

下の図は横から見た発声時の声のスタートラインです。

図の赤いライン(①)はほぼ喉しか使っていない状態。

卵を押し込んでいくに従って
スタートラインは後ろに移動しやすくなります。

私の場合はだいたい

そんなに大きな声でなければ緑(②)のライン、
大きい声になれば紫(③)のラインから
声を出しているような感覚を持っています。


頬を上方、後方へと引き上げていくことも大切です。
引き上げることによって腹筋、背筋もしっかり働き
体が前に傾かなくなります。
声も明るくなって音程もキープ出来ます。

 

「ハ」でのスタッカート練習では
お腹の動き、音色はいつも同じになるように。
口の形も1回ごとに変わりません。
「ハ」という声が出る時には
既に口は開けておきましょう。

 

ロングトーンもスタッカートも
常に頭の後方に声を当てるつもりで練習してくださいね。