<動画解説>鼻濁音 母音をそろえる

鼻濁音とは・・・

カ行に「 ゛」をつけると 「がぎぐげご」。

カ行に「 ゜」をつけると 「か゜き゜く゜け゜こ゜」になります。
この「 ゜」は半濁点と言って
この半濁点がついたカ行をスローモーションで聴くと「んが」と聴こえます。
これが鼻濁音です。

この「 ゜」がついた鼻濁音は鼻に抜く音で
「 ゛」がついた音より丸く柔らかくなります。
『私が』や『それが』などの『が』の発音がそれにあたり、
鼻の付け根のあたりによく響きます。

(※ただし、鼻に抜く・響く と言っても鼻声とは違います)
 
では何故鼻濁音の練習が必要なのか・・・
それは、声(音)が鼻に抜けないと
声が詰まってしまうからです。
 
声が詰まると
声帯にダメージを与えるような発声になってしまいます。
 
逆に鼻濁音が出来ると
声帯にも負担がかからず
母音を揃えることも出来て
おまけに鼻腔などの共鳴器も上手く使えるようになります。
鼻濁音、結構重要です♪
 
私のレッスンにいらっしゃる方の中に
この鼻濁音が出来ない方が結構いらっしゃいます。
「がぎぐげご」より「か゜き゜く゜け゜こ゜」の方が
舌はより奥の方で動いて その音を作ります。
鼻濁音の作り方はまた別の項で改めて説明しようかと思いますが
舌根を動かして作る鼻濁音はなかなか難しく感じる方が多いようです。
 
ですので、ここでは同じ鼻に響かせる音ということで
「な行」を使って練習していきます。
 
「な行」は舌を口の上方(上顎)に付けた位置から始まる音です。
口の上方(上顎)に付いている時、しっかり鼻に響かせます。
舌を上顎につけてから離れるまでの音をスローモーションにすると
「ん〜な」になります。
この「ん〜」と言っている時に声が響いている場所が大切です。
ちょうど頭の中心辺りでしょうか
母音もこの場所で言う感じです。
 
歌詞を歌う時は母音を言う位置がとても大切になります。
日本語は 「た=T+a」「く=K+u」など必ず母音と子音がセットになっている言語です。
しかし、ほとんどの方が子音ばかりに注意を向けるようです。

この「T」や「K」などの子音を作る舌の形や位置はどれも違います。
子音をしっかり発音しよう!とすることによって
結果的に発せられた言葉(歌詞)の響きも場所もバラバラになってしまいがちです。
しかし実は、子音を発音するための舌の位置を気にする前に

 

どの母音も同じ位置で発声できることがとても大切なのです。
下の図のように、どの母音も「同じ中心」から各々の母音の形を作ります。
中心を保つことが大切です!

一見難しそうで、発声には関係なさそうですが
母音を揃える事で、口の無駄な動きを防ぐことができます。
口の無駄な動きは、次の文字に移る時にロスになります。

ロスをしながら歌うって
結構無駄な労力を使ってるんです。
かえって歌うことを難しくしていたりします(^^)

母音を揃えることで出来て、
その上で、
子音を言う為の舌の位置を考えるのが良いかと思います。

 

もうひとつ。
母音を揃えると音の流れが1本になって
聴いている方(聴衆)も耳に入りやすくなります。
聴衆を疲れさせないのです。
逆を言えば
「耳にスッと入ってくる歌」
になるのです。

これ、良くないですか?(^^)

 

今日から「母音を揃える」ことを
意識してみてくださいね。