「口をしっかり開けるのが大切。
だから開けてみました。
でも首に縦の筋が出ちゃうし
何だか苦しいんです」
「口を開けようと思って頑張れば頑張る程
力が入って上手く声が出ないんです」
口を開けているのに上手くいかない。
何だか矛盾する話ですよね。
今日はこの「口の開け方」についてです。
口を開けて歌っている時
その時の口の動かし方、口の位置、形はどうなっているでしょうか??
確認した事、ありますか?
ではここで観察タイムです。
鏡を使って顔のどこが動いているか確認してみましょう。
恐らく、鼻から上は全く動かず
口から下だけ
そう!下顎だけがたくさん動いているのではないでしょうか。
知らず知らずのうちに
口を開ける、若しくは動かすと言えば「下顎の役目」
という認識になっている事が多いです。。
今までレッスンさせていただいた生徒さんも
多数の方がそうでした。
え?下顎じゃないの?と思いますよね?
勿論下顎も動きます。
でも
「口=下顎のみ」と考えて口を開けると
上の絵みたいな状態になりがちです。
絵の中の青い線より上は全く動かず
ほうれい線に引っ張られるように頬は下がって無表情。
不機嫌な顔に近いですね。
下顎だけを下に無理に引っ張れば
首に余計な力が入って筋も出ますよね(^^)
さあ、ここで「口を開ける」という動作の概念を少し変えてみましょう!
下顎はものすごく大ざっぱに言ってしまうと
耳のあたりの関節で頭蓋骨に引っかかっているだけです。
(注:かなり大ざっぱに言っています)
引っかかっているだけの下顎に
「口を開ける」という任務を全て任せるのは
かなりの負担ですよね。
下顎をひっぱる筋肉とかいろいろな所も疲弊してしまいますね。
ではどうするか。
頭蓋骨も動かしてみましょう!!
下顎も軽く開けて
頭蓋骨も斜め後ろに傾けて
両方で口を開く。
プラスアルファで
腹筋・背筋の支えも使って
頭を少し後ろに引きながらこの開け方をすると
どうでしょう、
首に筋も出来ずに口が開けられますよね?
おまけに
頭蓋骨を斜め後ろに傾ける時の軸が
背骨の一番上(絵の赤い〇)。
そこに意識を持っていくことによって
下顎だけ動かしていた時よりも重心が後ろに移り
言葉(母音)を発声する位置も定まってきます。
(☆母音を揃えるブログはこちら)
勿論、口を開けるテクニックはこれだけではありません。
そうか!頭蓋骨を後ろに倒せば解決か!と
今度は首だけに頼るとまた違った弊害が出てきそうです。
スムーズに声が出るようにする為に
1カ所に負担をかけず腹筋を使ったり、背筋を使ったり、頬を引き上げたり、
いろんな部位をバランスよく使う事が大切なのです。
でもまずは「口を開ける動作=下顎のみ」という
積もり積もった概念をちょっと変えるべく、その1歩として
今日の「頭蓋骨から考える口の開き方」をやってみてくださいね。
顎や首に余計な力が入らない感覚を味わってください(^^)
ではまた!