♬ 必見!解説!「歌う時の腹式呼吸」~お腹は膨らむ?へこむ?外観に惑わされないで!~

「歌を歌うには腹式呼吸です!」って
当たり前のように言われるけれど

腹式呼吸って本当はよくわからないのよね・・実際どうやるの?

そんな疑問を持つ方はたくさんいらっしゃると思います。

「お腹で呼吸をしましょう!」と漠然と言われても困りますよね。
実際に息が入るのは肺だし。

私も今までにいろんな質問を受けました。
以前に受けたレッスンでこう言われた・・とか、本に書いてあった・・とか、
みなさんたくさん悩んでます。

 Q1.息を吸う時にお腹は膨らむんですよね?
 Q2.息を吐く時もお腹が膨らむと聞いたのですが、吐く時はへこむんじゃないですか?

 Q3.お腹に力を入れてって言われました。
 Q4.息を吐く時にお腹を引き締めてって言われました。 などなど・・・・・

表現は違えど、みなさんの悩みは
「息を吐く時はお腹は膨らむのか、へこむのか」

そして迷いに迷った挙句に
「腹式呼吸が出来ませ~ん! ギブアップ!」 となってしまいます。

〇〇で習ったときはお腹を膨らませろと言われ
〇〇で習ったときはお腹をへこませろと言われ
本で読んだらお腹を引き締めてと書いてあった・・・など
生徒さん側から見ると みんな矛盾した事を言っている~と感じるかも知れませんね。

どれが正しいのか悩むところですが
でもおそらくそれは、いろいろな先生が今まで歌を習得してきた際に
それぞれがご自分の感覚として「膨らむ」「へこむ」と捉えただけで、
実はみなさん同じ事を仰っているのだと私は思います。


私の経験では、ある部分は膨らみ、ある部分はへこみます。
ただし!「外見上は!」です。


なぜ 「ただし!」かと言うと、この考えは危険なところがありまして・・・(><)
「この部分が膨らみますよ!」と言ってしまうと、「膨らます」という事に意識が行ってしまい
本来の腹式呼吸の身体の動きじゃないものになってしまうことが多々あるのです。

ですので、ここではあえて「どこが膨らむ、へこむ」から少し離れて、
表面的な事ではなく、そもそも「腹式呼吸」って何? ・・・というところから、
そのしくみを深く追求していこうかと思います。

私が今までに習得してきた中での感覚や独自の見解なども入れて
「Aki詩音」バージョンで説明していきますね。

読み進めるうちに「あ~!こうするから ⇒ だからここがこう動くんだ」と理解できるように
順を追ってなるべく詳しく書いていきますね。

それではスタートです!


【1.腹式呼吸の考え方、Aki詩音の提案♪】


まずはお腹が「膨らむ」か「へこむ」かの問題ですが
 

〇〇という「動作」をした結果→「膨らむ」
〇〇という「動作」をした結果→「へこむ」

というように、
膨らむ・へこむ という状態になるために「何をするのか?」という「動作」に焦点を当ててみてください。

どこが・・・は その後の問題です。

 


そしてもう一つ!
私はこの使い古された標語のような「歌は腹式呼吸!」とうい文言にちょっと付け足そうと思います。

 

  私なら 

歌は「腹式呼吸で!」ではなく
歌は 「腹式呼吸を応用して!」

  と言いたいと思います。 

     なぜなら・・

 本来の「腹式呼吸」と歌う時の「腹式呼吸」はちょっと違うのです。
 

 そのあたりを順を追って説明していきましょう!


【2.横隔膜って なに?】


まずはここ!横隔膜ってなんだ?!

横隔膜とは 肋骨で囲まれた肺や心臓がある部分と、胃や腸がある腹部を隔てている筋肉です。

「膜」と言っても「筋肉」です。
ペラペラな「膜」ではなく「筋肉!」なんです。
これだけでも横隔膜のイメージ、変わりますよね。

 

身体には呼吸をするために必要な「呼吸筋」というものがいくつかありますが

この横隔膜も「呼吸筋」の1つ。しっかり呼吸を助けます。

 

そして横隔膜はドーム型のヘルメットのような形をしていて、下の3点に付着しています。

①身体の前面の骨(剣状突起)の内側に付着。青色で塗っている骨の下先端。
②腰椎(厳密には腰椎1~3番)の前側に付着。ちょうどおへその裏あたり。
③肋骨の内側に付着(厳密には12本ある肋骨のうち上から7番目~12番目に付着)

少し見にくいかも知れませんが、上の図のオレンジ色とそれに繋がる少し薄いオレンジ色の部分が横隔膜です。
肋骨の下の方にドーム型の筋肉がすっぽり入ってるとイメージすると分かりやすいかも知れません。

どうですか?横隔膜のイメージ、変わりましたか?(^^)
ペラペラの平らな薄い膜ではなく
筋肉で、ドーム型です。

これから横隔膜が呼吸時にどんな動き・働きをするのかを見ていくわけですが
その前にまずは呼吸についてです。


【3.呼吸の種類】


呼吸には2通り、胸式呼吸と腹式呼吸があります。
どちらも空気は肺に入ります。お腹には入りません。念のため(^^)

・ちょっとここで肺の豆知識!
 肺は肺自身で大きく膨らませることはできません。意図的に肺だけを動かして大きさを調整することは出来ないんです。
 だから、呼吸をするにあたって、空気がたくさん入るように肺が膨らむスペースを作ってあげないといけません。
 そのスペースをつくるために肺の周りが動きます。
 その周りとは、肋骨や横隔膜です。

 その他、呼吸筋と言ういくつかの呼吸に必要な筋肉や、肋骨の間を埋める筋膜なども働いています。
 肋骨が動けば筋膜も収縮(縮む)したり弛緩(伸びる)したりします。セットでイメージしてくださいね。
 (横隔膜も呼吸筋に含まれます)

 

では最初に「肋骨」の動きを確認しましょう。
胸式呼吸と腹式呼吸、どちらの呼吸も肋骨が動きますが、主に動く箇所が違います。

胸式呼吸・・・胸の上の方の肋骨が動く。
腹式呼吸・・・胸の下の方の肋骨が動く。

どちらの方法も肋骨が動きます!
特に腹式呼吸は「横隔膜の動き」や「腹筋の動き」に注目しがちですが
この「肋骨」の存在も思い出してくださいね!

 


さあ、どんどんいきましょう。

腹式呼吸を深堀りしていきますよ~

注目ポイント!

意外とスルーされるのが「肋骨の形」です。
「肋骨」って、わりと身体の前面しか意識しない方が多いものです。当たり前ですが、肋骨は前も横も後ろも
囲んでくれてます。

立体的なんですね。

息を吸う時も吐く時も、肋骨は前後左右に開くので、立体的に意識することは実はとても大切なのです!


【4.通常の腹式呼吸】


普通に言われる腹式呼吸とは「横隔膜」を使って空気を取り込んだり吐き出したりする呼吸法です。
まずは息を吸う(吸気)からみていきましょう。

《 吸気(きゅうき) 》

息を吸うときは上の図のように、
横隔膜が収縮(縮んで)して下にさがります。
ヘルメットのようにドーム型をした横隔膜の天井が下にさがるのです。
それと同時に主に下の方の肋骨も広がります。

 豆知識!
肋骨などの骨と横隔膜で囲まれた胸のスペースを
 「胸郭」といいます。


先ほども言いましたが、肋骨は前も横も後ろも  ぐるっと囲って胸郭を作っています。
ですので、身体の前面を意識するのではなく 前にも・横にも・後ろにも 広がる感じをつかみましょう!

肋骨が開き横隔膜が下がることによって胸郭内が広くなり、胸郭内の圧力が低下。
すると肺が受動的に膨らんで空気が入ります。

簡単に言うと・・
 肺が膨らんで息をいっぱい吸うために、肋骨が開き横隔膜が下がって肺が膨らむスペースができる。
 スペースができたので空気が入るわけです。

では次は息を吐く(呼気)です。


《 呼気(こき) 》(通常の呼気)

息を吸った時に 肋骨が広がり横隔膜が下がり、
気圧が下がった胸郭内の肺に息が入りました。
肺は空気が入って膨らんでいる状態です。

ここから息を吐くために・・・

 

開いていた肋骨がしぼみ、収縮(縮んで)して下がっていた横隔膜が元に戻ります(弛緩)。

下がっていた横隔膜の天井の位置が元に戻るんですね。
それにより胸郭内が狭くなり、胸郭内の圧力が上昇。
肺が受動的にしぼんで空気が押し出されます。


またまた簡単に言うと
 広がっていた肋骨や横隔膜が元の位置に戻ることによって、
 肺が押し上げられて空気を押し出します。

そして、ここが大切!

●息を吸う時は(吸気)・・・肋骨を広げたりしてある程度意識的に息を吸うのですが、
 

息を吐く時は(呼気)・・・わざわざ自分で肋骨を狭めることをしなくても身体(呼吸をするための筋肉など)が
  自動的に働いて勝手に息を吐いてくれます。 勝手に身体が動いてくれるのです。

 

 ヨガなど、長く息を吐くなどの場合はもちろん自分で呼気の量をコントロールして吐き出しますが、
 ただ単に呼吸をする場合は特にコントロールすることもなく、身体が勝手に無意識に息を吐く動作をしてくれるのです。
 息を吐く時はただ力を抜けばいいのです。
 そういう身体の仕組みなんですね。すごい!!

 





さあ、ここまでが普通の腹式呼吸の説明でした。

え? 普通のって???

今まで敢えて「普通の」と言ったのは
歌う時の腹式呼吸は普通とは少し違うからなのです。
それが私が最初の方で「腹式呼吸を応用して!」と言った理由です。

それはどういう事か・・・

いよいよ本題。歌唱時のお腹の動きに入っていきましょう!


【5.歌う時のお腹の動き~腹式呼吸の応用~】


歌唱時の呼吸ですが、息を吸う(吸気)は先ほど説明した「普通の腹式呼吸」と同じです。
ドーム型の横隔膜の天井が下がって、肋骨も開くのでしたね。

でも、
息を吐く(呼気)の時は違います。
ここが「普通の腹式呼吸」と違うところです!

普通の腹式呼吸では、息を吐く時は「広がっていた肋骨が自動的に戻る」でした。
その時お腹はへこみます。
ちょうど鳩尾(みぞおち)あたりがへこむと思います。

しかし、歌う時の動きはちょっと違います(^^♪

上の図の通り歌う時は肋骨を広げ続けます。

さて、上の図の "息が出ていく水色の矢印" を点線にしたのには訳があります。
歌いながら口の前に手をかざしてもらうとわかりますが、
歌っている時には、そんなに息は出ないのです。
実際にやってみてください。

何かを吹いたり、息を長く「ふ~っ」と吐き出すときは手に風が当たりますが
歌う時はそんなに風を感じませんよね?どうですか?

では、なぜそうなのか・・・?

 


声を出すために大切なものを思い出しましょう。

そう! 「声帯」です。


声を出すためには、まず声帯を振動させなければいけません。
声帯を振動させるには、何かを「ふ~っ!」と吹くときと同じような息の量も速度もいらないのです。
その人にとって「良い鳴り」をする声帯の振動数を作り出す為の息の量が大切なのです。
そして、その時の息の量や速度はそんなに多くは必要ありません。
逆に多過ぎると声帯がダメージを受けてしまうかもしれません。

ちょっとずれるかも知れませんが、5月に気持ちよく空を泳ぐ「こいのぼり」を思い出してください。
ちょうどよい風が吹いていれば ゆっくり 優雅に空を泳ぎますが
ものすごい強風だったら こいのぼりは風にあおられて ぐっちゃぐちゃに振り回されますよね。
光景が浮かびましたか?

優雅に空を泳いでいるこいのぼり=良い振動をしている声帯 とすると
その、ちょうどよい「声帯の振動」を作り出すために

ちょうど良い量の息を保たなくてはいけません。
息の量をコントロールするのですね。

ではどうやってコントロールするか。
いよいよ腹筋が登場してきますよ!

その前に、すこし小難しいですが簡単に呼気圧に触れてみましょう。


【6.呼気圧】


呼気圧とは吐く息の勢いや量などを含めた、空気のかたまり(圧力)と思っていただければよいと思います。
胸式呼吸、腹式呼吸に関わらず、
普通の呼吸をする際には吐く(呼気)時は自分で頑張らなくても肋骨や横隔膜が自然に動いて自動的に息を吐いてくれる・・・と、先ほど書きました。

下の絵を見てください(^^)
仮に息を「100%空気の入った風船」と考えてみましょう。

普通の呼吸での空気の移動を
むちゃくちゃ大雑把な絵にしてみました。

青い風船に入った空気を吸ったり吐いたりするとします。
吸う時・・・外の空気を全部(100%)吸う。すると ⇒ 身体の外の空気は0%、肺の空気は100%
吐く時・・・肺の空気を全部(100%)吐く。すると ⇒ 身体の外に空気は100%、肺の空気は0%

(空気が完全に100%移動することはありませんが、分かりやすく「仮に100%」として説明しました)


吐く方に注目してください。
普通の呼吸時、身体は「息を吐く」ということを自動的に行います。
吐いたら肺の中の空気は外に出て、横隔膜も肋骨も自然に元の位置に戻る、いわば呼気の自動操縦です。
その時身体は芯も支えも感じることもなく完全にリラックス状態。
力は抜けています。
普通の呼吸ならそれで良いのです。

しかし歌う場合はどうでしょうか?
そんなふにゃふにゃな状態で歌えますか?

歌う為には声帯を上手く振動させなければいけません。
上手く振動させる為には息の量をコントロールしたいですよね。

でも身体の自動操縦に任せた「ふにゃふにゃ状態」では息のコントロールは出来ません。
呼気は自動操縦ではなく手動操縦にしなければいけませんね。

では上手く息をコントロールするためにはどうするか・・・
お待たせしました!ここで腹筋の登場です!
腹筋を上手く使って息をコントロールしていきましょう。

少し難しい言い方をすると、コントロールするとは「肺の中と外の気圧を保つ」のです。


【7.腹筋と腹圧・呼気圧の調整】


歌を歌う(声を出す)為に声帯を振動させる。そのために必要な息の量や勢い(=息の圧力=呼気圧)を調整します。
呼気の手動操縦です。 身体をふにゃふにゃにはしませんよ~。

下の図を見てください。大雑把ですが、腹筋の種類です。

「横隔膜」・・・赤い線

「腹筋」・・・①腹直筋
       ②外腹斜筋
       ③内腹斜筋
       ④腹横筋

腹筋①はよく6つに割れてるとカッコいい~とか言われる筋肉ですね(^^)
そして②よりも内側に③、③よりも内側に④ という順番になっています。
身体の表面から奥に向かって ②⇒③⇒④ の順番についています。

④の腹横筋は身体の一番内側にコルセットのようについている筋肉です。
上の順番で言うと身体の1番奥についている筋肉なのですが
注目して欲しくて目立つように外側にピンク色で書きました。
ご注意ください。


 

実際に息の量や勢いを調整するために腹筋を使って「腹圧」を上げます。
「腹圧」を上げるために使う筋肉がインナーマッスルです。
 

《 腹圧を上げるインナーマッスルは以下の通り》
 ・腹横筋

 ・横隔膜

 ・腰背部についている多裂筋
 ・骨盤の下についている骨盤底筋群
             (※腹圧=腹腔内圧 ) 


しっかり「腹横筋」が入っていますね!
でも、インナーマッスルは4つ!と、同時に意識すると混乱すると思うので、
まず腹横筋だけを意識してもらえば良いかと思います。

腹横筋は身体の1番内側(深層)についている腹筋なので
息のコントロールをするときは、お腹の表面ではなく「腹部の1番奥の腹筋を使う!」 と思ってもらえれば良いと思います。
      ⇩

★息はインナーマッスルを使ってコントロールする!

 

【 備 考 (^^♪ 】
因みに、重いものを持ち上げる時にお腹にぐっと力が入りますね。
あの時もインナーマッスルが働いているので腹圧が上がります。
歌の時と同じ筋肉が動くのですね!

実際に歌う時には、肋骨がしぼまないように腹圧を上げて、
息の量や勢いを保ちます
(腹横筋を使い続けます)。


腹圧を上げるとお腹の支えがしっかりしますね。
これがいわゆる
「体幹」です。

 

大切なポイント!
この時力を入れて筋肉も胸郭も固めないでくださいね。
KEEPと言っても胸郭が開いたら一時停止画像のように固めるわけではなく、
胸郭が開いているという状態を保つために腹筋が働き続けるわけです。ここ、地味に大切です!

さてここで横隔膜についてもうひとつ。

最初の方で横隔膜は呼吸筋です!と書きましたが
インナーマッスルの中にも横隔膜が入ってますね。

そうなんです!
横隔膜って呼吸のほかに身体にとってたくさんの重要な役割を果たしているんです。

横隔膜は腹圧を上げながらも腹筋に押し上げられ、続いて肺を押し上げ息を出す。。。
なんという神業! 横隔膜はマルチなんですね。

Aki詩音の考察ポイント!
横隔膜の動きですが、よく考えると・・・
・胸郭が広がれば横隔膜の天井ドームは下がる。
・腹圧が上がれば横隔膜は肺を押し上げる。
う~ん、なんとも矛盾しているように思えますが(笑)

私の感覚では両方の作用が拮抗していて、上下方向での横隔膜の位置はあまり動かないような感じがします。
 (通常の呼気のようには、ドーム型の形には戻らない)



じゃあやっぱり横隔膜を動かさないと!と思うかも知れませんが、
横隔膜に意識を向けすぎるのはお勧めしません。

なぜかというと、横隔膜は目で見る事が出来ないので、実際にどう動いているのか?どう動かせば良いのか?を考えすぎると
頭が混乱して上手く声が出せなくなってしまうからです。

  ⇩だから

 歌う時(呼気)のポイントは2つです。

腹圧を上げて

下の方の肋骨を広げた状態を保つ


音量を調節したり抑揚をつけるためには
腹筋(腹圧)を使って、息の量や勢い(呼気圧)をコントロールします。

声を大きくしたり、勢いをつけたいときは喉に力を入れるのではなく腹圧を上げるんですね。
声を極力小さくしたいときも、腹筋(腹圧)を使ってコントロールします。

 

まとめると・・・

 

【 歌唱時の声の出し方、呼気(息の吐き方)は 】
  「腹圧を上げる」=「体幹ができる」
  「腹圧を使って」⇒「息の量(呼気圧)を調整する」

【 意識することは 】

  身体の1番奥の腹筋を働かせる。

  下の方の肋骨の広がりを保つ


【8.お腹は膨らむのか、へこむのか】


最後に最初の命題、お腹は膨らむのかへこむのか?ですが

もしも、発声時「この時お腹が膨らむのかへこむのか」と聞かれたなら私は
お腹(みぞおちあたり)は膨らみ、お腹(おへそのあたり)はへこみますと答えますが・・・
表現の1つとして「膨らむ・へこむ」という言い方をしているだけです。


ちょっとここで、腹筋を使った時の筋肉の動き(収縮)を考えてみましょう。
腕の力こぶを思い出してください。
腕を曲げて力を入れると力こぶができますね。
あれが筋肉が使われている状態=収縮です。


腹筋も同じです。

腹筋という筋肉が使われている時、筋肉は収縮しています。

ちからこぶを作って筋肉が収縮している時、外から見たら「膨らんでいる」と表現できると思います。
腹筋も同じです。
腹筋を使って筋肉が収縮すれば、外から見たら「膨らんでいる」と表現できますね。

 

膨らむもへこむも 腹筋を使った結果です。
どうやって膨らまそうか? とか どうやってへこませようか?考えることはせずに
ただ、肋骨の広がりを保ち、腹圧を上げるという事に集中してください。

逆に、お腹が膨らむかどうかを先に考えてしまうと
身体が反ってしまったり 身体がくの字に曲がってしまったり
間違った動きになってしまいます。
そして、
腹筋を使って声を出す練習をしていたはずが
いつの間にかお腹を膨らませることがゴールになってしまう。
既に練習の目的が変わってますね。

だから「膨らむ」のか「へこむ」のかに焦点を当てない方が良いのです。


【9.Aki詩音のレッスンでは】


最後の最後に・・・

私は歌を指導する時に
息を吸う事をあまり意識しなくて良いとお伝えしてます。

それよりも

上手く腹筋を使って声を出す練習をする方が大切だと思うからです。

息がなくなって苦しい時
お腹の力を抜けば息は自然と入ってきます。

もちろん意識的に息を吸う事も大切だし、レッスンでも吸い方にも触れていきます。
しかし、吐く息をお腹でコントロールできるようになれば
自然と息の吸い方も上手になると思います。

それに・・・
もし吸う息に重点を置いてしまうと
息を吸った後、「せっかく吸った息を少しでも漏らしてはいけない」と変な意識が働いて
身体が後ろに反ってしまったり、身体がガチガチになってしまって吸った姿勢から動けない・・など
スムーズに腹筋を使えないという状況になりがちです。

順番として、まずはインナーマッスルを上手に使って息をコントロール出来るようにすること。
これが大切かと思います。

  

腹式呼吸について、私なりに詳しく説明してみました。
最初は難しく感じるかも知れませんが、
自分の身体を観察して、根気強く練習してみてくださいね。

 

最後におもしろ ワンポイント!
 
腹筋と言うと何となく身体の前面のみを意識してしまいますが、

 インナーマッスルが動けば同時にお腹の横も後ろの背筋も動きます。
 

 360度動く感じをイメージする方法ですが・・

 もし、自分のウエストよりも2サイズぐらい小さいスカートをはいていたとします。
 ゴムじゃないスカートですよ(男性も何とか想像してみてください)
 息を吸うのも少し辛いくらいの きついスカートをはいたまま
 ハックション!!・・と くしゃみをした時に スカートのホックが「ブチっ!」
 この瞬間の感覚を想像してみてください。
 絶対、お腹周り360度が外方向に膨らんでいると思いませんか?(笑)

*ご興味を持たれた方は是非、オンライン体験レッスンにいらしてくださいね。